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2. 所有者不明の廃プレジャーボートの処理体制

所有者が判らない廃船の処理については、行政が行う所有者追跡調査にプレジャーボート等舟艇製造・販売者側(以下「舟艇業界側」という)も協力する体制を整えるとともに、市町村と舟艇業界側の両者が処理費用を分担するという原則の下に処理体制を構築していく。
?@ 廃棄場所からの廃船の回収、処理は当該市町村において行い、その費用の一定部分を負担する形で舟艇業界側が協力する方式とし、詳細に関しては、両者(市町村側については一般廃棄物業務関連団体等)で協議機関を設置して早急にこれを確立する。
なお、舟艇業界側の協力方法に関しては、自動車業界が実施する路上放棄自動車処理における協力システムが参考になると思慮される。ただし、自動車業界と舟艇業界の相対的な規模の差異を勘案し、行政における支援等も場合によっては考慮されなければならないと考える。
?A 船舶安全法に基づく小型船舶検査済票番号が確認できない廃船について、船体製造番号等により販売ルートからも所有者を追跡する体制を舟艇業界側において整備するとともに、1―?Hで述べた所有者の廃船処理相談およびその処理を受け入れるシステムの整備を急ぎ、所有者不明廃船の削減に努める。

 

3. 廃船の処理方法と開発技術の活用

FRP廃船の処理方法は、現在広く行われている「前処理」(推進機関、補機器・計器類、大型金属類等の取り外し、電線・防舷材・手摺等の切断など)、「中間処理」(破砕又は焼却)、「最終処理」(埋立て)によるが、前処理において取り外された機関、部品等については、できる限り再利用率向上に資するように措置する。
なお、中間、最終段階の処理方法は、現在開発されている減容技術、リサイクル技術に基づく処理装置をできる限り活用するように努めなければならない。また、舟艇業界、FRP素材業界等の関係者は、これらFRP廃材の減容技術、リサイクル技術の開発・改良に積極的に取組み、リサイクル素材の活用・普及を図るとともに、市町村・廃棄物処理業者等においても開発された技術とその施設の積極的な利用を行っていかなければならない。

 

[提案内容の解説]

FRP廃船処理問題は、前述のように難しい問題を多く抱えていることから、一足飛びに処理体制の理想を掲げても、その実行は極めて困難視されるため、まず、現行法体系の中で実行が可能な処理体制から取組むことが賢明と考えた。この場合、広島県において実施された一般廃棄物対象の廃船処理方式(広島方式)は、現行法体系下においては最も現実的な処理方式と言えるものであり、第?Tの体制はこれをベースとして構築を試みた。
廃船の場合は、保有数そのものの絶対量が少ないこともあって、所有者が自らの意思で廃棄処理しようするものは件数としては少ないが、排出者として責任感を持つ良心的な所有者のための処理体

 

 

 

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